妻を殺してもバレない確率

掲載サイト:カクヨム 作者 桜川ヒロ / 秋桜ヒロロ

科学が発展した近未来。
未来予測はある程度可能になり、それはパーセンテージで表わせるようになった。


『今日の夕飯がカレーライスである確率 69.241%』

こんな具合に。

条件を入力すれば自宅のパソコンで簡単な未来予測が出来るようになったのは15年も前から。
僕はもう10年も君の確率を見つめ続けてる。


『妻を殺してもバレない確率 0.001%』

短編の恋愛モノの中でも第五回ネット小説大賞のグランプリを受賞し、宝島社様より書籍化するなど傑作といえる作品の一つです。

物語としては不器用な二人の恋愛模様を描いた単純な作品なのですが、作中に登場する【未来予測システム】という仕掛けを使って唯一無二の独自性を出すことに成功しています。

この【未来予測システム】というのは、携帯電話のような電子端末を使って、ちょっとした未来予測ができるようになったものです。

『今日の夕飯がカレーライスである確率 69.241%』という風に。

そうして「妻を殺してもバレない確率」なんて物騒な未来予測を毎日のように確認している主人公ですが、その確率が年々下がっていること、つまり自分の気持ちが変化していることに気づいていくのですが・・・

前半の淡々とした主人公と文章との対比と相まって、後半のハッピーエンドに至る展開は胸にジーンと来るものがあり、心地よい余韻が残る作品でした。

しかし、【未来予測システム】なんてシステムが実現されれば夢が広がりますね。

作家になりたいとか

you tuberになりたいとか

プロゲーマーになりたいとか

*俗な内容ばかりですみません。

こういった努力が成功する可能性、やり方によって変化する可能性を確認することができますから

話がそれましたが、間違いなくおすすめできる作品の一つです。

この作品、本編以外にも書籍化記念でSSが付いています。

この音が君に届く確率』というのですが、個人的にはこちらの作品のほうがツボでした!

本編の続編というわけではなく、【未来予測システム】といった同じ世界観の作品になります。

ありがちなハッピーエンドではなく、ちょっとほろ苦い感じのラストは感動的で余韻が残るものでした。

おすすめ度★★★★★

*短編でありながら感動できる名作です。

カクヨムで読む→妻を殺してもバレない確率

書籍版を読む→妻を殺してもバレない確率 (宝島社文庫)
書籍版は本作と書き下ろし6編を詰め合わせたオムニバス作品になっているのが特徴です!